綿を紡ぐ〜サンダ・バシット展


京都で染織の勉強をしていた頃、学校の掲示板に貼ってあったDMの写真が気になって徳島まで見に行きました。
その頃学校では自分でやりたいテーマを決めて制作する科にいたのですが、私は何をやるかまだ決まっていませんでした。
京都に来る前に1年半ほどサフォークを紡いで商品を作っている所で居候しながらお手伝いをしていたので
糸を紡ぐことの楽しさは知っていてホームスパンかな、と思ってはいたのですが、
京都に来てから知った織りの世界がどうしてもどうしても気になり
でも着物の世界は自分からはちょっと遠く、着物やその周辺の文化に興味があるわけではなく
もう少し自分の生活に近い感じで、もう少し土っぽい感じの・・・などとぼんやり考えながら
着尺の機で木綿の縞の布(学校ではみんながやる課題のひとつです)を織っていました。

徳島で開かれていた展覧会はタイで綿を栽培し紡いで織っていたサンダ・バシットさんという方のものでした。
サンダ・バシットさんの布はこれまで見た日本の手紡ぎの木綿の布よりもみずみずしくおおらかでいきいきして見えました。
日本のものより広幅だからそう感じたのかもしれないけど。

この展示を見た時、これやりたい!と思いました。
素材から作れること。
綿という素材。
北海道から京都に出てきていろんなものや人に触れてものすごくカルチャーショックを受けていた頃で
気候や植物の違いも新鮮でした。
綿とか麻の植物の繊維が気になっていた事とも合いました。
そこでこの先半年のテーマが決まりました。


せっかく徳島まで行くんだから香川にも行っちゃおう!一泊してこよう!と友人と始発の電車に乗って出かけたのですが、
展覧会の会場で、その頃お世話になっていた京都の工房の奥さんになぜか会い、
香川行きを話すと「そんなん行ったってたいしたおもろ〜ないて。それよりうちな、明日ごっつい忙しいねん。手伝いに来てや〜。車で送ったるしな、交通費も浮くし、ええやろ。」と半ば強制的に京都に連れ戻されました(゚O゚;)
初めての四国楽しみにしてたのに、徳島観光もせずに車に乗せられました・・・でも楽しい思い出です(*^_^*)



ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村 美術ブログ 織物・染織へ