今年の生葉染め


今年も藍の育ちはあまりよくなかったのですが、けっこう染めました。量ってみると5キロ程。
しばらく織り作業をしていない私の機(ハタ)の上は水色の糸が山のようになってます。
藍の成長が良くなかったのは肥料が足りなかったせいではないかと指摘され、そうかもしれないな、と思いました。
育て始めて数年はあまり手をかけなくても良く育ったからその調子でやってたのがいけなかったのかもしれません。土の養分が少なくなっているようです。

生葉染めはミキサーを使う人が多いかもしれませんが、私は塩を使って染めます。
ミキサーより水の量が少なくできるので少量の葉で濃く染める事ができます。(水の量が多いと染液が薄まってしまいます)
塩の方法の場合大きなカセの糸を染めるのはムラになりやすいし、体力的にも大変なのが難点ですが、私はこの方法がなぜかやり易い。
ムラは織りに使うときはあまり気にならないからかな。


この方法を教えてもらったのが働いていた大原工房です。
十数年前大原でも毎年試行錯誤しながら染めていたので、今ではもっと進化していることと思います。
染色の本にはよく藍染めの最後の工程として、「オキシドール水につける」とありますがその理由はあまり書いてありません。
理由は 《オキシドール過酸化水素水》 なので大雑把に言えば酸化が進むということなのでしょうが、大原では「薬品使わんでも空気中にいっぱい酸素はあるやろ、よく空気にあてたらいいねん」と、使っていませんでした。
化学的な部分を知っていると、どの工程が大事なのか、省いてもいいものなのか、を自分で判断できるんだなぁと思いました。
それ以外にも染色の本に載っていない事をたくさん教えて頂きました。


京都はまだまだ暑い日が続いているんだろうな。
夏の染め場はものすごい事になってる事でしょう。
でも夕方のヒグラシの声がとっても好きでした。
「アツカッタケド ユウガタダヨー、キョウモモウスグ オワリダヨー」と言ってるようでホッとしました。
聞きたいな。ヒグラシの声。(北海道にはいません。似合わないか・・・)