秋の染めと染めてる理由 


毎年9月に胡桃から始まる秋の染め。
今年はHさんから萩、カイドウ、バラを頂いて染め、そのあとハマナスを染め始めたところでSさんにバラをたくさん頂きました。
100本のバラをお持ちのお友達の所で剪定したものとのこと。
たくさんあったので染めたい方にお分けしたのですが、それでもすごい量。
乾燥させて冬に染めようかな、とも思ったのですが勢いに乗ってすべて染めてしまいました。
バラはカーキ色にもなるんだけど私は鉄で媒染したグレーが好きなのでひたすらグレーを染めていました。
量ると約5キロ。
いくら好きだからといってもグレーばかり5キロ!
   

先日、北欧の糸を扱っている所から色糸の見本が届きました。
私は自分の作品は草木染めの糸を使うので、色糸の見本はあまり持っていなかったのですが
教室の生徒さんたちからクリスマスらしいものを織りたいとのリクエストがあり見本を取り寄せました。
ビビットな色から淡い色までキレイな色がたくさん揃っています。
見ているだけでも楽しい!キレイ!
草木染めのような色の糸もたくさんあるんですね。
そんな見本を見ながら、私はどうして染めてるんだろう・・・?と考えてしまった。

最初に習ったのは化学染料での染めで、そのあとも川島テキスタイルスクールで本格的な化学染料の授業も受けて作品も創ったけれど、今は全く使っていない。揃えた染料も眠ったまま。
ちゃんとした考えがあってそうしてるわけではなく
環境のためにやっているわけでもない。
植物から色をいただいている、なんて謙虚な気持ちもあまり持っていない。

確かに植物などを使った染めはいろんな侠雑物のせいなのか微妙な色で好きだけど、化学染料でも似たような色は出せる。


それでも植物染料で染めているのは、植物を採ってきて糸を染めて織る事が自分にとって自然で楽しい事だから、という理由だけなんだと思います。
ずーっと何の疑問も持たずに染めてきたのでもう習慣になってるというか、当たり前の工程になっていて、出来上がった布を見ていて染めからやっていないとなんとなく落ち着かなくなっている、というところだと思います。
たぶん自分で育てた繊維だったり、自分で紡いだ糸だったりするとそれはまたやめられなくなるんだろうな。
自己満足なのかな?
・・・・・自分の創ってる物に自信がある訳では全然無くて、まだまだスタート地点があっちの方にあるっていうのが分かったくらいの場所にいると思っているんだけど・・・・・自分の創った物が一番好きだったりします。